海外でクレジットカード決済をする際に、決済通貨を問われる場合があります。
「日本円で決済しますか?現地通貨(ドルやユーロなど)で決済しますか?」
のような質問です。
こう訊かれた場合、私は必ず現地通貨を選択するようにしています。
今回は、その理由をお教えします。
唯一にして最大の理由が、日本円決済の場合は手数料が多く取られるからです。
そうなる理由は、日本円決済と現地通貨決済の外貨取扱手数料率の決め方に違いがあるためです。
現地通貨の場合、為替手数料は各国際カードブランドが定める外貨取扱手数料率から算出されます。
VISA:1.63%
MasterCard:1.63%
JCB:1.60%
American Express:2.00%
Diners Club:1.30%
同様に為替レートも各カードブランドが定める基準から適用されます。
為替レートについては、こちらも参考に御覧ください。
つまり現地通貨決済の場合は、いつどこでクレジットカードで支払いをしようとも為替レートの違いは合っても、為替手数料率は各カードブランドで固定です。
対して日本円決済の場合は、為替手数料率を決済する店舗が決めることが出来るのです。
そのため店舗によっては、為替手数料を10%近くに設定している場合もあります。
各国際カードブランドでは2%以内で済むため、その差は最大で8%にもなります。
10万円の買い物で8,000円の支払金額の差が出ることになります。
もちろん全ての店舗が、高額な為替手数料率を設定しているわけではありません。
しかし為替手数料は店舗の利益になるため、違和感のないよう2.5%~4%程度に設定されていることが多いです。
つまり日本円決済の場合は、クレジットカードで支払いをすると利用する店舗によって為替手数料率が大きく異なり、高い手数料を取られることがあるのです。
ここまでで決済通貨は現地通貨を選んだ方が良い理由は分かったと思います。
しかし決済通貨は毎回選べるわけではないので、ここにも注意が必要です。
そもそも顧客に現地通貨決済と日本円決済を選ばせるためには、店舗がFCC(First Choice Currency)契約をカード会社としている必要があります。
この契約がない場合には、決済通貨を訊かれる事もないですが自動的に現地通貨決済となるので心配ありません。
問題は、店員が確認を忘れている場合です。
また故意に確認しない場合もあります。
この場合は、支払いのサインをする前に必ず金額の確認をしましょう。
日本円(JPY)での金額表記がされている場合は、現地通貨決済に変更してもらいましょう。
ただし日本円決済を選んだほうが良い場合もあります。
正確には、結果的には「日本円を選んで良かった」という言い方が正しい方法です。
それは支払い後に、為替が大幅に円安になった場合です。
例えば1ドル100円で100ドルの買い物をした後に、カード明細の確定時に1ドル120円となっていた場合、
現地通貨決済:100ドル=12,000円の支払い
日本円決済:10,000円の支払い
となり日本円決済の方が安く済みます。
しかしここまで大きな為替の変動は、政情不安などかなり大きなニュースでもない限りほぼ無いです。
そのため確率論で言えば、常に現地通貨での決済を選んでおけば良いでしょう。
以上が、クレジットカードの決済通貨には日本円ではなく現地通貨を選ぶ理由です。
海外旅行中に出会う何気ない支払いでの出来事なため、あまり気にしていなかった方も多いでしょう。
または決済通貨を確認されたことさえ覚えていない、経験がない方もいると思います。
しかしいつか出会った時に損をしないように、頭の片隅に忘れずに覚えておきましょう。
以上です。