「モバイルバッテリーを持っていますか?」
スマホユーザーにこう質問したら、今や「持っていない」と答える人が少数派なのではないでしょうか。
少なくとも私の周りでは、もはやモバイルバッテリーを持っていない人のほうが少ないように思えます。
普段から頻繁にアプリでゲームをしたり、TwitterやFacebook、InstagramなどのSNSを使っていると電池の消費が激しくスマホのバッテリーが一日持ちませんからね。
しかし日常生活の感覚で旅行にモバイルバッテリーを持っていくと、トラブルに繋がってしまう場合があります。
今回は、そんなモバイルバッテリーに内蔵されているリチウムイオン電池の、意外に知られていない飛行機へ搭乗時の制限について説明します。
モバイルバッテリーは私にとって海外旅行で必須と言える旅グッズですし、持っていれば出張、旅行中にも活躍の場は多いはずです。
搭乗時に没収されて困らないよう、きちんとルールを理解しておきましょう。
一般的なモバイルバッテリーの電池部分は「リチウムイオン電池」と呼ばれる充電池が使われています。
モバイルバッテリー本体のどこかに「Li-ion」と表記されていれば、リチウムイオン電池が内蔵されています。
リチウムイオン電池はモバイルバッテリー以外にも、トヨタ プリウスに代表されるハイブリッドカーを始め、多くの電気自動車にも採用されています。
いわば現代の充電池の代表格とも言える物です。
しかしリチウムイオン電池に使われている、リチウムを含むアルカリ金属は、空気中の酸素や水と触れると自然発火する特性を持ちます。
iPhoneを始めとするスマホやガラケーが、発火したり破裂したというニュースを聞いたことがあると思います。
つまり劣化したリチウムイオン電池は、最悪の場合には破裂や発火する可能性があるのです。
そのため日常生活では何気なく使用しているモバイルバッテリーも、小さな火事でも大事故に繋がる飛行機では、厳重に注意する必要があるのです。
リチウムイオン電池は、温度変化が激しい航空機内の貨物室では、水分が付着して発火につながる恐れがあります。
ただ、つい最近までリチウムイオン電池に対する持ち込み制限は、各航空会社に委ねられていました。
しかし国際民間航空機関(ICAO)が、2016年4月1日よりリチウムイオン電池の預け入れを全面禁止としたのです。
そのため液体の機内持ち込み制限と同様に、ICAOの指示によりほとんどの航空会社が、リチウムイオン電池の持ち込みを厳しく制限するようになりました。
ほんの数カ月前の出来事ですので、知らなかった人も多いと思います。
なお、デジカメやパソコンなど電子機器に内蔵・装着された物は、ワット時定格量が160Wh以下の場合に限り、本体と一緒であれば預け入れ可能です。
一般的な電子機器の内蔵電池であれば問題ないですが、大型のカメラ機材などで制限を超えてしまう場合がありますので、必ず確認しておきましょう。
ただし、モバイルバッテリーは預け入れが出来ないので、必ず手荷物として機内持ち込みするようにしましょう。
では手荷物で持ち込む場合には、無制限にモバイルバッテリーを持ち込めるのでしょうか。
もちろん、機内持ち込みにも制限があります。
①電子機器内蔵・装着の状態で、ワット時定格量160Wh以下の場合は、制限なし
②予備電池で、ワット時定格量100Wh以下の場合は、制限なし
③予備電池で、ワット時定格量100Wh~160Wh以下の場合は、2個まで
④電子機器内蔵・装着、予備電池に関わらず、ワット時定格量160Whを超える場合は、持ち込み不可
つまり、ワット時定格量と呼ばれる数字が制限に大きく関係しています。
またここで言う予備電池とは、電子機器に内蔵されていない電池自体が製品となっている物です。
つまりモバイルバッテリーは、予備電池に当たります。
では次に、先ほどから何度も出てくる「ワット時定格量」について説明します。
しっかりと計算方法を覚えて、どれが持ち込み可能で、どれが不可能なのか判別できるようになりましょう。
ワット時定格量とは、次のように計算します。
ワット時定格量(Wh) = 電池容量(Ah) × 電圧(V)
リチウムイオン電池の場合、電圧は3.6~3.7Vです。
ここで注意が必要なのが、電池容量です。
一般的なモバイルバッテリーは、10000mAhのようにAh(アンペアアワー)ではなくmAh(ミリアンペアアワー)を単位として使われています。
「ミリ」とは、長さの単位のmm(ミリメートル)のミリと同じで、1000分の1を表します。
つまり 1000mAh = 1Ah ですので、10000mAh = 10Ah となります。
ゼロを3つ消せば良いと、覚えておきましょう。
では実際に、次のモバイルバッテリーで計算してみます。
20,100mAhと現行モデルの中で、最大級の電池容量を持ちながら細身のスマートなデザイン。
iPhone6を7回以上も充電できて、350gと缶ジュース一本分の超軽量なオススメモデルです。
実際に計算すると、
電池容量:20,100mAh = 20.1Ah
電圧:3.6V
ワット時定格量(Wh):20.1Ah × 3.6V = 72.36Wh
つまりこれは予備電池で100Wh以下ですので、制限なしに持ち込めることになります。
先程も言いましたが、一般的なモバイルバッテリーはリチウムイオン電池を使用しているため預け入れは出来ません。
チェックインカウンターで渡すスーツケースやカバンには入れず、保安検査場に持っていく手荷物の中に入れましょう。
次に保安検査場に着いても、パソコンなど電子機器のようにカバンの中から出す必要はありません。
機内持ち込み用のバッグがある場合は、中にいれたままで問題ありません。
ただし手ぶらの場合にはポケットには入れず、X線検査用のカゴやトレーの上に出しておきましょう。
ポケットに入れたままだと、金属探知機によるボディチェックで引っかかります。
モバイルバッテリー単体であれば電子機器ではないため、機内でも離着陸時を含め自由に使用可能です。
ただし「モバイルWi-Fiルーター兼モバイルバッテリー」のような電波を発する可能性がある場合には、搭乗する航空会社が定めるルールを守って使用して下さい。
こちらのモデルは、SIMフリーのモバイルWi-Fiルーターとしても容量7800mAhのモバイルバッテリーとしても使えるスグレモノです。
どのモバイルバッテリーを買えば良いか分からない方のために、他にもオススメを紹介します。
とにかく大容量でコンパクトで安価なモデルが良い方にオススメ。
20000mAhの超大容量で手のひらサイズの小型モデルです。
iPhone6で約8回の充電が可能なので、これ一台あれば短期の旅行は十分です。
2,500mAhと電池容量は少ないですが、超コンパクトです。
大きさは名刺サイズで、厚さはたったの6mm!
財布にも難なく入る携帯性抜群のモバイルバッテリーです。
私も普段から日常的に使用しているモバイルバッテリーはコレです。
上のLAVO-2500を一回り大きくしたようなモデルです。
容量は2倍の5,000mAhですが、ポケットにサッと入る大きさ・薄さのままです。
一日に2回以上スマホを充電する方で、薄いモバイルバッテリーをお探しの方にピッタリです。
充電用コンセントが内蔵されたモバイルバッテリーです。
コレ自体がUSB急速充電器として機能するため、スマホの充電器としても使えます。
つまり1つでモバイルバッテリーと充電器の1人2役をこなすわけです。
荷物が減らせるので、旅行に最適ですね。
容量は5,000mAhでiPhone7なら1.5~2回分ぐらい。
スマホとモバイルバッテリーの両方とも充電が空っぽでコンセントに繋いでも、スマホから優先して充電してくれるのもポイントです。
22,400mAhの大容量に加えソーラーパネルで充電が出来るため、電源がない場所でも再充電可能です。
USBポートも2つ搭載なので、2台を同時充電可能です。
旅行やキャンプなどのアウトドア、災害用にも最適なモデルです。
先程も紹介しましたが、SIMフリーのモバイルWi-Fiルーターとしても容量7800mAhのモバイルバッテリーとしても使えるアイテムです。
SIMフリーなのでMVNOの格安SIMでモバイルルーターとして使用しながら、モバイルバッテリーとしてスマホの充電も出来ます。
もちろん海外旅行中に、現地プリペイドSIMを挿して複数人でモバイルWi-Fiを利用することも可能です。
モバイルバッテリーなのにLEDライトにもなって防水仕様。
さらにカラビナが付いてるからベルトやバックパックに気軽にぶら下げられます。
容量2,600mAhと小さめですが、LEDライトと兼用出来ると考えるとかなり便利な一品。
機内エンターテイメントとして、タブレットやスマホで映画や動画を見て楽しむ場合に、モバイルバッテリーは必要不可欠です。
そのため飛行機の機内へモバイルバッテリーを持ち込むためのルールをしっかり理解しておきましょう。
うっかり持ち込み制限にかかってしまい、搭乗前にモバイルバッテリーを没収される事がないように注意しましょう。
以上です。