せっかくの旅行を台無しにしないために、旅行中に気をつけたいのが体調管理です。
交通事故やアクティビティ中のケガに気をつけるのも当然ですが、病気や感染症は知識がないと大惨事になりかねない怖いものがたくさんあります。
そこで今回は海外旅行中に、特に気をつけたい病気や感染症についてお伝えします。
食べ物からくる体調不良で、まず誰もが思い浮かぶものが「食中毒(食あたり)」です。
細菌やウイルス、有毒な物質が付着した物を食べることによって、嘔吐や下痢、発熱、黄疸などの症状が出ます。
原因となる主な細菌やウィルスには、サルモネラ菌、黄色ブドウ球菌、腸炎ビブリオ菌、カンピロバクター、腸管出血性大腸菌(O157やO111など)、ノロウイルス、A型・E型肝炎ウイルスなどが挙げられます。
また日本ではあまり馴染みがない感染症では、コレラ、細菌性赤痢、腸チフス、パラチフスなどは世界的に蔓延しているため注意が必要です。
これらの菌やウィルスは加熱により感染力がなくなりますので、十分に加熱したものを食べましょう。
生の海鮮や肉類、カットフルーツ、生野菜には要注意です。
また生水は絶対に避けて、氷にも注意しましょう。
ジュースなど飲み物に入った氷にも要注意です。
代表的な感染症として、マラリア、ジカ熱、デング熱、ウエストナイル熱、日本脳炎などがあります。
全て媒介する蚊の種類の違いこそあれど、蚊によって人に感染します。
「世界で一番人類を殺しているのは蚊である。」と言われているほど、これらの感染症によって亡くなる方は世界中にたくさんいます。
蚊に刺されることで感染するため、何より蚊に刺されないようする事が最重要です。
そのため虫除けは、必ず使用しましょう。
私は機内持ち込みできるようにジェルやクリームタイプを使用しています。
また出来れば長袖を着て、無駄な肌の露出をしないようにもしましょう。
私が一番注意喚起したいのが「狂犬病」です。
理由は、私も過去に一度タイで犬に噛まれて狂犬病予防の治療を行った経験があるためです。
日本国内の狂犬病は、1956年を最後に発生していません。
1957年に猫への感染が動物での感染でも最後です。
しかしほんの10年前の2006年には、フィリピンから帰国した日本人男性が狂犬病を発症して死亡しています。
日本国内では感染がないため意識が弱くなってしまいがちですが、海外では今もたくさんの人が狂犬病の発症によって亡くなっています。
そして狂犬病の怖いところは、発症するとほぼ100%死亡することです。
現在、狂犬病が発症した場合の有効な治療法は存在しません。
しかし犬などに噛まれても発症前であれば「暴露後ワクチン接種」を行えば、狂犬病の発症は防ぐ事が出来ます。
特に狂犬病に注意したい国は、インド、中国、タイ、ミャンマー、フィリピン、パキスタン、バングラディシュです。
なお狂犬病が完全に撲滅されていると言われている国は、日本以外にはオーストラリア、ニュージーランド、イギリス、北欧諸国など世界でも数ヶ国しか存在しません。
そのため海外で犬に噛まれた場合は、必ずワクチン接種を受けるように覚えておきましょう。
また狂犬病は犬以外の哺乳類からも感染する可能性があります。
感染の可能性がある代表的な動物は、犬、ネコ、キツネ、アライグマ、スカンク、コウモリ、マングースなどです。
これらの動物に噛まれたり、引っ掻かれた場合にも注意が必要です。
狂犬病を予防するには、野犬や野生動物には近づかないこと。
もし噛まれたり、引っ掻かれてしまった場合には、必ず噛まれた当日中に病院に行きましょう。
私の場合は、犬に噛まれた当日にタイの病院へ行き、3日後にはカンボジアの病院へ、その後は日本に帰国して通院を続けました。
海外だからといって、絶対に通院を先送りにしないようにしましょう。
もし狂犬病が発症したら、ほぼ確実に死んでしまうことを忘れずに。
そのため海外でも通院できるように、海外旅行保険へも必ず加入しておきましょう。
海外旅行保険に加入していないと、高額な治療費を自分で支払う事になります。
私のオススメは、無料で海外旅行保険が付くクレジットカードを持っておくことです。
特にオススメなのが、年会費無料で海外旅行保険の補償内容が手厚いエポスカード
以上が、海外旅行中に気をつけたい病気や感染症です。
海外の国や地域によっては、日本では心配した事さえない感染症にかかることがあり得ます。
訪れる土地では何に注意すべきなのか事前に調べておき、予防や治療を怠らないようにしましょう。
また軽度の体調不良には自分でも対処出来るように、常備薬も忘れずに持って行きましょう。
しかし常備薬に対して、過度な期待は禁物です。
必要であれば、現地の病院へ行くようにしましょう。
また感染症ではないですが、南京虫という虫にも要注意です。
これに噛まれると、数週間ものあいだ猛烈な痒みに襲われます。
しかも治療方法はありません!
痒みが引くまでひたすら耐えるしかありません。
その痒さを、「生き地獄」だと表現していた人もいました。
そんな南京虫は衛生状態の良くない安宿で、ベッドに潜んでいる事がよくあるので要注意です。
最後の南京虫は、少し冗談のような軽い話になりましたが、海外での病気や感染症には本当に気をつけましょう。
以上です。